――キーンコーン

ぴくっ

あたし、なに、してんだ



伸ばしかけた手を
握りしめて、逃げた。


「あ、おい、美桜!」


予鈴が鳴らなかったら
あのまま湊に触れていた。


もう、誰も信じないって決めたばかりなのに。