「ねーねー、
美桜って彼氏とかいるの~?」

ニヤニヤと小声で耳打ちされる。

「か…っ!?え…えっと」

「えーーだれだれ??」

曖昧な反応を肯定ととった朱理が
目をキラキラさせて迫ってくる。

あたしはチラッと、
ほんの少し前を歩くその人物を見て
すぐに視線を落とした。

「えっ!?もしかして隼人くん!?」

興奮気味の朱理は
さらにあたしとの距離を詰めてくる。

「近い近い…」

「きゃー!!なんでなんでーー!
いつから??」

「去年からだよね」

「ちょ、唯!!」

近い距離には戸惑うけれど、
こんな風に自分のことに
興味を持ってもらうことには、
どうしたって悪い気がしない。

「もっと詳しく!!」

朱理の勢いには…勝てないや。

「去年の12月から…」