とはいったものの、
そんなチャンスもそんな勇気もない私。

でも気づいたらあと数日で夏休み。
涼くんに会えなくなってしまう。
いつも通りのたった10分の時間。
そんな思いが私を焦らせていた。

「志帆?どした?

なんかあるんなら言えよ。」

もし伝えたら、答えてくれる?
これからもこうして歩ける?
私のこと、どう思ってるの?

…なんて、言えるわけない。
この時間だけはなくしたくないもん。