桜の花が咲く頃に。

「どうかしたの?」

「え…?」

「いや…元気ないなと思って。」

「え…と、大、丈夫、だよ。」

「うそつき。」

「っ…」

「大丈夫じゃないときはちゃんと大丈夫じゃないって言って。」

諦めるって決めたばっかりなのに…勝手に涙がこぼれてきた。

ヤバい。泣いちゃダメだ。そう思うのに涙が止まらない。

すると黒木くんが私を隠すようにして、星奈と関口くんに

「桜庭さん、具合悪いみたいだから家まで送って来る。」

と言った。

「まじか。お大事に。」

関口くんが声をかけてくれた。

「うそっ!?気づかなくてごめん!大丈夫?!舞花!」

「うん…。」

星奈も声をかけてくれるけど今は少し辛い。

黒木くんが私の手をつかんで走り出した。

「おいっ琉叶ー?走って無理させんなよ!」

関口くんが後ろから叫ぶ。

黒木くんは親指を立てて見せる。