桜の花が咲く頃に。

無事に嵐が過ぎ去った後、私たちは普通に下校する。

「舞花、ちょっと話したいことあるんだけど。」

あの星奈が私に相談!?珍しい!

「なになに!?なんでも言って!」

「私、好きな人できたんだ。」

「ええぇぇぇ〜〜?!誰?!」

「えっと、ほぼ一目惚れなんだけどね、うちのクラスの学級委員の人って言えばわかるかな?」

えっ…。もしかして黒木くん?学年1なんだし一目惚れしてもおかしくない。

頭を殴られたようなすごい衝撃を受けた。

……こんなかたちで自覚するなんて。

私、黒木くんのこと好きになってたんだ。そっか。

だからこんなに悲しいんだ。

「そ、そーなんだ!頑張ってねっっ!」

「ありがとっ!」

そう言ってはにかんで星奈はとてもかわいくて、恋する女子の顔をしていた。

私、ちゃんと笑えてたかな。引きつってた気がする。

今気づいたって遅いんだ。もう星奈の好きな人を知っちゃったんだ。

この想いは忘れよう。諦めよう。そう思った。

今日も行きたくないけど…みんなは優しいから行かなかったらきっと心配してくれる。

ちゃんと行こう。