「確かに、今はそうかもしれない。でも、俺の本当の父親は、仁志 智之だよ。…僕は、於島が嫌いなんだ」
早口どうしのやりとりに、私はどうしていいかわからなかった。
5つ年上?
於島が本名?
於島が嫌い…。
……そういえば、さっきの雄斗くんとの会話を思い出した。
仁志っていうのはきっと亡くなられたお父さんの名字なんだ。
でも、それは分かっても於島が嫌いの意味がわからないし、ましてや5つ年上で私たちと同じクラスに入ったのもわけがわからないし…。
とにかく混乱しすぎて頭の中はヨーグルト状態だ。
……どうして、雄斗くんはこんな田舎にひとりで来たんだろう。
運命…そんなわけないよね。
きっとなにか、事情があるはず…。
