ヒューーーパンッパンッパンッ
「きれいだね」
私が隣を見てそう言うと、雄斗くんはじっと花火を見つめて、返事をしなかった。
どこか悲しそうで、寂しそうで。
いつもの調子はどこにいったんだってくらい、別人に見えた。
「雄斗くん、雄斗くん…?」
「あっ、ごめん。ちょっと考え事してて。」
そのことについて触れてしまうのはいけない気がして、違うことを聞くことにした。
「ねぇ雄斗くん、今はどこに住んでるの?」
「隣町のマンションだよ。家賃は今の親がだしてくれてる」
「え、ひとりで来たの?こんな田舎に」
「うん」
「どうして…?」
