この地球-セカイ君がすべて


それからまず、私の要望で金魚すくいに行った。


私はすくい方なんてわからなくて、1匹とるかと思ったけど穴が開いてしまって、結局できなかった。


ふと隣を見ると、雄斗くんは見たことのないくらい真剣な目つきをして、ほいほいと金魚をすくっていた。


もうカゴの中には5匹もいる。


「ねぇ、どうしてそんなにできるの?お金持ちなのに、珍しいね」


「ちっちゃい頃によく縁日に連れてきてもらったんだ。僕、養子でね。5歳までは実の父に育てられたんだけど…ごめん。こんな話、聞きたくないよね」


「ううん。大丈夫。大変な思いをして育ったんだね…」