ーパサッ。 すれ違う人と浴衣が擦れた。 「ほら、今みたいになると、人とぶつかっちゃうよ?ほんと危なっかしいんだから。」 「ごめん…なさい」 「はい。はぐれないように」 そう言うと、私の手は一気に温かくなった。 これは…まさかの手つなぎデート?! 急展開すぎる展開に頭がごっちゃごちゃでついていけないよ… そう思ってるうちは、ずっと渓くんに見られていたなんて気づきもしなかった。