「そういえば、一緒に行く子の名前聞いてなかったけど、なんていうの?」
「仁志 雄斗くんっていうの。にっしーって呼ばれてるよ」
「……そう。その雄斗くん?って子とは仲良くなれそう?」
少し、ほんのすこしだけ、お母さんの反応が遅かった。
雄斗くんのこと、知ってるのかな…?
一瞬そう感じたけど、むこうは横浜とかいう都会から来てるわけだし、ただの思い込みだろうと思った。
「うーん、けっこう自意識過剰というかなんというか…でも、かっこいいのは事実だし、仕方ないのかなぁって感じかな。性格がもっとこう、穏やかで優しい〜とかだったらもっとモテそうなのに。」
