しばらく時間が経ったのち、最後はお兄ちゃん。


するとここで、とんでもない報告を受けることになる。


「僕…実は、さ。社長になることになったんだ。」


・・・。
一瞬この部屋の時間は止まった。


みんな何を言っているか理解するのに時間がかかって、その後、目を丸くした。


「えっ?!それってほんと?」


なんだか男に食い気味な柚美ちゃんが言った。


「うん、ほんと。親父ももう歳だからって」


「でも、まだ24歳なんじゃ…?」


あまりに早すぎると思ってつい口にしてしまった。


「そうだね。社長にしたら若いかもしれないけど、僕、頑張るから。事業を成功させて、ちゃんと家にもお金いれるよ」


「なんか羨ましいなぁ〜」


ほおづえをついて柚美ちゃんが憎たらしそうに言う。


「いっそのこと、私を社長夫人にしてくれない?」


何を言いだすかと思ったら…。


やっぱり今日はろくなことを言ってくれない。


…それにしても、お兄ちゃんが社長、かぁ。


つい2年ほど前までお兄ちゃんの存在すら知らなかったのにはたまた社長って…。


もう色々逆転劇が起こりすぎてわかんないよ。


でも、それだから人生って楽しい。