あれからもう一年が経った。


…今日は、祐の命日。


渓くん、柚美ちゃん。いつものメンバーで祐のお墓詣りに来た。


祐がくれた手紙やDVDはもうボロボロになってしまうくらい見ている。


でもね、そのおかげで私寂しくないんだ。


恋人を亡くした悲しみで自殺しようとする、なんてニュースで聞いたことがあるけど、そんなこと考えられない。


生きたい人が生きられないのに
生きられる人が生きないなんて贅沢だよ。


だから私は、祐の分まで生きるって決めた。


私が行くどこにだって、祐はついて来てくれるから。


いろんなところで、いろんな景色やいろんな人を見せてあげる。


それが私が祐にできる唯一のことだから。


…祐。お墓に来なくても祐はいつも一緒だよね。


渓くんや柚美ちゃんにそんなこと言ったら、精神科行っておいでなんて言われちゃいそうだけど、本当にそう思うんだ。


青空を見上げたら、星空を見上げたら
いつだってすぐそこで祐が笑ってる気がするから。