俺の病気は先天性のもので、移植をしないと治らない。


でも、あいにく俺のDNAはかなり複雑で、ドナーとなれる人は世界中をかけめぐらないといないだろうということだった。


無論、俺はそんなことしたくないし、できるお金もなかった。


ただでなくとも医療費でかなり厳しい家計を、これ以上苦しめることなんてできない。


でも、不幸中の幸いなのは突発的に何かが起こらなければ俺はだいたい普通に生きていける。


健康なみんなと同じように。


だから俺はちっちゃい頃からずっと隠してきた。


…病気だってバレたらいじめられるような気がして。


いつも気を張って生活してた。


…でも、心の中の自分はいつしかそんな生活に疲れていた。


そんな時、渓という人物と出会ったんだ。