「なあ知ってた?福岡タワーって、恋人の聖地らしいで?幸せになれるんやってさ〜。俺ら、恋人も同然やもんな?」
そう言って渓くんは笑って冗談を言う。
冗談ではないのかもしれないけど。
…あえて、そこは深く追求しないほうがいい。
それに、この言葉だけだと誰に言っているのかわからないけど、おそらく、たぶん私に向けられた言葉のような気がする…。
タワーをのぼると、昼間なのにすごくたくさん人がいた。
さすが、恋人の聖地というだけであって、カップルたちばかりだ。
「真琴、柚美、ちょっとここで待ってて」
メニュー