「ごめんね、さっきはありがとう、尾上くん。」


さっきのやりとりを見られていたと思うと恥ずかしくて、少し冷たくなってしまった。


「尾上くんか〜。なんか他人行儀で好きちゃうな。んじゃ、渓って呼んでや。俺も真琴って呼ぶわ」


そんな私とはうらはらに、渓くんは笑顔でかえしてくれた。


「う、うん。」


「ありがと。あっ、あと祐くん。ちょっと今からあいてへん？話したいことあるんやけど」


笑ったかと思うと渓くんは突然真剣な顔つきになった。