出て行っちゃったら心の中に穴があい ちゃったみたいで辛かった。そんな時 、パパと出会ったの。そこからは、今 の通りよ。ずっと、雄斗にも会えなか った」 「仁志さん、余命があったのに雄斗くんを受け入れちゃって大丈夫だったんですか?」 柚美ちゃんが少し聞きづらそうに聞く。 「ちょっと待っててね」 そう言ってお母さんは立ち上がり、和室の引き出しをあけ、一通の封筒を取り出す。 いつしかその顔は、涙ぐんでいた。