ノースヴァン家の血を誰よりも色濃く受け継いだ彼女は、必ずしもこの通りに未来が進むとは限らないと前置きしたうえで、包み隠さずカザリナに己が見たものを話した。
そこでようやく、カザリナはクロスリードの想いを知る。
命を賭してでも遂げようとする、美しいひとの想いを。
黙り込んだカザリナに対して、どうするの、と尋ねたジュリアに。
……どうもしない、とカザリナは答えた。
あのひとを止めることは、誰にもできないのだ。
カザリナにも、そして――育ての親である魔王にも。
たとえ次期魔王候補の命を狙ったことを許されたとしても、クロスリードはよしとしないだろう。
魔王に育てられ、魔王のために生きてきた男は、己の主人が殺される瞬間を黙って見ているはずがない。
そこでようやく、カザリナはクロスリードの想いを知る。
命を賭してでも遂げようとする、美しいひとの想いを。
黙り込んだカザリナに対して、どうするの、と尋ねたジュリアに。
……どうもしない、とカザリナは答えた。
あのひとを止めることは、誰にもできないのだ。
カザリナにも、そして――育ての親である魔王にも。
たとえ次期魔王候補の命を狙ったことを許されたとしても、クロスリードはよしとしないだろう。
魔王に育てられ、魔王のために生きてきた男は、己の主人が殺される瞬間を黙って見ているはずがない。



