煌々と照る月明かりが、馬車に乗り込もうとする少女たちを照らす。
メイジーが差し出す手に己の手を預けて、カザリナは馬車に乗り込もうとしたが、ふと王城の方角に目を向けた。
黎国のどこからでも視界に納めることができる、強大な城。
「あの子、死んだかしら」
ぽつりと呟いたカザリナに、表情を暗くしたメイジーは首を振った。
「次期魔王候補であると判明した以上、そのお命は尊いものですので、狙うのは難しいかと思います。夜族を味方につけたとのことですから、クロスリード様も……」
「そう、ね」
クロスリードがカザリナのもとを去ってしまった時、カザリナは久遠の森に住まうジュリアに連絡を取った。
誉の雫をもった彼女なら、すべての真実が見えているだろうと。
メイジーが差し出す手に己の手を預けて、カザリナは馬車に乗り込もうとしたが、ふと王城の方角に目を向けた。
黎国のどこからでも視界に納めることができる、強大な城。
「あの子、死んだかしら」
ぽつりと呟いたカザリナに、表情を暗くしたメイジーは首を振った。
「次期魔王候補であると判明した以上、そのお命は尊いものですので、狙うのは難しいかと思います。夜族を味方につけたとのことですから、クロスリード様も……」
「そう、ね」
クロスリードがカザリナのもとを去ってしまった時、カザリナは久遠の森に住まうジュリアに連絡を取った。
誉の雫をもった彼女なら、すべての真実が見えているだろうと。



