そしてそっと、囁く。
「あなたはここで、ゆっくり待っていてください」
それはカザリナを遠ざける言葉だ。
力になりたい。
喉まで出かけたその言葉を、カザリナはのみ込んだ。
――私を、遠ざけるの……?
魔王からも、そして自分自身からも。
クロスリードという男をよく知っているカザリナだからこそ、彼がもうカザリナに頼らないつもりであることを悟った。
カザリナは失敗してしまったのだ。
今や王の目はカザリナに向けられている。
カザリナに対して何の行動も起こさない王の態度は不気味だが、クロスリードはその理由すら気づいているようだった。
カザリナを王から守るため、そして己の目的を今度こそ確実に遂行するために――彼はカザリナを遠ざける。
「恐れなくとも、必ず終わりは来ますよ」
その言葉は、真実だった。
「あなたはここで、ゆっくり待っていてください」
それはカザリナを遠ざける言葉だ。
力になりたい。
喉まで出かけたその言葉を、カザリナはのみ込んだ。
――私を、遠ざけるの……?
魔王からも、そして自分自身からも。
クロスリードという男をよく知っているカザリナだからこそ、彼がもうカザリナに頼らないつもりであることを悟った。
カザリナは失敗してしまったのだ。
今や王の目はカザリナに向けられている。
カザリナに対して何の行動も起こさない王の態度は不気味だが、クロスリードはその理由すら気づいているようだった。
カザリナを王から守るため、そして己の目的を今度こそ確実に遂行するために――彼はカザリナを遠ざける。
「恐れなくとも、必ず終わりは来ますよ」
その言葉は、真実だった。



