「でも、クロスリード様は罰をお受けになったのではありませんか? 疲れていらっしゃるわ」
最後に見た夜会の日より、クロスリードはげっそりとやつれていた。
まさか体罰かと唇を震わせたカザリナに、クロスリードはほろ苦い笑みを見せる。
「確かに叱責されましたが、私自身のことではなく、警備の不手際です。
……まあ、普段陛下の魔力に任せがちなことに加え、あの日は陛下の寝室周辺を意図的に手薄にしたので、アルジェンには申し訳ないのですが。今はココロ様の捜索で忙しく、」
その瞬間、カザリナは弾かれたように顔を上げる。
「あの女の名前を呼ばないで!!」
クロスリードの言葉を遮り、カザリナの口から悲鳴じみた声が迸った。
――他の女の名を、呼ばないで。
最後に見た夜会の日より、クロスリードはげっそりとやつれていた。
まさか体罰かと唇を震わせたカザリナに、クロスリードはほろ苦い笑みを見せる。
「確かに叱責されましたが、私自身のことではなく、警備の不手際です。
……まあ、普段陛下の魔力に任せがちなことに加え、あの日は陛下の寝室周辺を意図的に手薄にしたので、アルジェンには申し訳ないのですが。今はココロ様の捜索で忙しく、」
その瞬間、カザリナは弾かれたように顔を上げる。
「あの女の名前を呼ばないで!!」
クロスリードの言葉を遮り、カザリナの口から悲鳴じみた声が迸った。
――他の女の名を、呼ばないで。



