当然今日も、いつものごとく花の世話をしていると思ったのだが。

「……? 誰だろう……」

今日に限って、なぜか見知らぬ男が花を世話していたのだ。

その動作はどことなく怠惰だった。

心は首を傾げつつ、そっと歩み寄る。

足音が耳に届いたのか、彼は怠そうに顔を上げ、近づく心に気づいた。

その途端、やけに馴々しい笑みを浮かべる。

「へぇ……初めて見る顔じゃん。アンタ、もしかして新入りちゃん?」

「……」

興味津々、と言わんばかりの態度に、心は思わず後退さる。