花子さんは、次の来世は
きっと幸せになるだろう。

自分の過ちを認めそして心残りは、晴れたのだから。

すると男子生徒は、
そのまま無言で立ち去ろうとした。

「あ、待て。あなた名前は!?」

心愛がその男子生徒を呼び止めた。
するとこちらをチラッと見ると

「……篠崎伊織(しのざき いおり)
まさか朱雀門の番人に会えるとは思ってもいなかった」

そう言ってきたではないか。

えっ!?

ハッ……そういえば
彼には、心の中が見えなかった。

千里眼の俺が見えないなんて……。

そんなことが出来るのは、
番人関係の者だけのはず……まさか。

「君も死者の門の番人なのか!?」

驚いて俺は、彼を問いつめた。