「ありがとう……心愛、龍聖」

花子さんは、僕達の手を取った。
すると消えていく。

「花子さん!!」

心愛は、泣きながらも
やっと正式な名前が言えた。

最期に……。

手を離すと扉が閉じていく。

そこには、笑顔で笑う花子さんの姿があった。

トイレの花子さんは、
本当は、友達が欲しかった寂しがり屋の女の子だった。

「花子さんも心愛にとって大切な友達だったんだよ。
これで新しい生命として生まれ変われる。
何処かでまた会えるよ……」

「……うん。」

心愛は、寂しそうな表情で頷いた。