「俺がなんで何度も
あのビデオレターを観てると思う?」
「えっ…?」
突然のことで驚くばかりで何も言えなかった。
だって、そんなこと言われるなんて思ってもなかったから。
「もちろん、結実からもらったもんだし、朔龍のみんなからのメッセージもあるからって言うのもあるけど…」
統牙がゆっくりあたしの体を自分の体から離して、あたしの左頬にそっと触れる。
優しく目を細めてあたしを愛おしそうに見つめるその瞳は出会った頃の冷たい瞳なんかじゃなくて、愛に溢れた優しい瞳だった。
「けど…?」
「あのビデオレターを初めて観たとき、
結実は病院にいて危険な状態だった」
さっきまでは優しい顔をしていたのに今は真剣な瞳に変わっていて落ち着いた声で言っているけど、その声からは切なさも感じられた。
本当は二人でケーキでも食べながら一緒に観る予定だったビデオレター。
だけど、あたしは統牙を守りたい一心で、頭を鉄の棒で殴られて危険な状態だった。
後悔はしていない。
だって、今日も統牙が生きて隣にいてくれているから。



