なによ……実物よりビデオレターのほうがいいってこと?
明日は日曜日だから久々のお泊まりだったのにもう家に帰りたくなってきた。
統牙だって、今日は久しぶりにお仕事も休みで朔龍の倉庫にも行かなくて大丈夫な日だったから…楽しもうと思っていたのになぁ。
「あー、いつ見てもいいな。
このビデオレター。ありがとな、結実」
「うん」
喜んでくれたのはすごく嬉しいけど、あたしのことを放置するくらい夢中になってしまうならあげなかったらよかったとも少しだけ思ってしまうあたしは最低だ。
「でもさ」
「なに?」
「やっぱ、ビデオレターの結実も可愛いけど
こうやって、構ってもらえなくて拗ねてる結実のほうが何倍も好きだ」
そう言うと、あたしのほっぺにキスを落とした。
未だに『好き』と言われることに慣れなくてドキドキしてしまう。
拗ねてること分かってたんだ。
本当に統牙は意地悪…分かっててわざとビデオレターに夢中のフリしてたんだもん。
「イジワル…」
「ほっぺだけじゃ足りないんだろ?」
「誰もそんなこと言ってな…んんっ」
否定の言葉を述べる前に大好きな彼の唇で塞がれてしまった。