けれども、先生との時間は、とても楽しかった。

 一時間半ほどの指導と意見交換は、いつもあっという間。

 先生のお話は面白く、前に著書で読んだなというものもあったけれど、
 それに加えてアップデートもされて、聞きごたえのあるものだった。

 わたしも必死で勉強して、それに付いていった。

 あんまりばかげた質問はできない。
 幻滅されてしまうことは避けたかった。

 きちっと質問すべきときは質問をし、考えが及ばないときにはそう正直にいう。
 知ったかぶりはしない。

 そう心がけ、ディスカッションを繰り返した。
 先生の態度は、どんどんほぐれていった。

 ここが、先生とわたしとの蜜月だったと、今は思うのだけれど。