中学2年の夏。


暑い日差しが照りつける空の下、バスケ部の朝練を終えた俺は教室へと足を運んでいた。


朝、学校に着くと直接体育館に行くため、朝練が終わった後は外から玄関に回って上履きに履き替えなければならなかった。


「あっつい……」


夏を主張しようと強く光る太陽に照らされ、吹き出る汗が止まらない。


その時、制服姿の見知った顔が俺に近づいて来るのが目に入った。


「悠久、おっす!」


「勇人…、あっつい。離れて」


肩を組んでくる勇人を押すと、夏にピッタリの爽やかな笑顔が覗き込んでくる。


「悠久、朝練だったんだよな?俺もさっきまでやってたとこ」


「炎天下でサッカーしたばっかのくせに、なんでそんな元気なわけ」


「悠久は中のくせに元気ないな」


「中だって空気こもってて暑いんだからな」


上履きに履き替えながら言えば、勇人ばそれもそうだな゙と頷いた。