始まりのラピスラズリ



私は溢れ出る涙を止めずに、歪む視界の中で先輩の姿を見つける。


ハル先輩っ……!


『バスケが出来なくなった時の心の痛みに比べたら、全然たいしたことないです!』


暗い顔をする先輩を元気にさせたくて、病室でそんなことを言った。


だから、先輩は…。


『明日、絶対に来いよ?』


先輩は、私の気持ちを汲んでくれたんですね……。
私に…、私のために…、このプレーを見せてくれたんですね。