振り返れば、そこにいたのは、入学式の日に出会った時と同じような儚げな顔をした彼女。 その姿に俺はまた目を奪われた。 椎名は俺の方を見ながら、ゆっくりと言葉を紡ぐ。 「先輩が苦しそうにしているのは、やっぱりバスケが原因…?」 「……っ」 思いもしないその言葉に、俺は息を呑んだ。 「3年前の、あの出来事があったから?」 「……っ!なんで…、」 なんで、それを知ってるんだ…。 3年前の、あの出来事。 蘇ってくるのは過去の自分。