先輩はスクイズとタオルをベンチに置くと、 私の方を向く。 そして────、 「ちゃんと見てろよ!」 それだけ言うと、先輩はコートに入って行った。 私は先輩の姿を見ながら、鳴り止まない鼓動を手で抑える。 今日のハル先輩、どうしたんだろう……? いつもはあんなに注目されるような大声で話したりしないのに…。 今日のハル先輩はなんだか、いつもと違う気がする…。