「なんでそんなに言って貰いたいわけ?」 呆れ顔で聞けば、勇人は大きな声で答えた。 「だって、悠久が俺のことを褒めるなんて今までなかったんだぞ!? いつも俺に塩対応だったお前が初めてカッコいいって…、こんな嬉しいことあるかよ!」 勇人はそう言うと、だからもう1回だけ、と俺に期待の目を向けてくる。 俺は少し考えた後に、ニヤリと笑った。 「…もー言ってやんねぇ」 なんでなんだー!、と騒ぐ勇人を背に、俺は教室を出て行った───。