「好きな人…?」 私が聞き返せば、雅美はうんと頷いた。 「あたし、今まで男の子のこと苦手だったけど あの人なら平気っぽいの!」 嬉しそうに言う雅美に、私もだんだん嬉しさがこみ上げてくる。 「良かったね、大進歩じゃん! 好きになった人は誰なの?」 私が聞くと、雅美は私の耳元に唇を寄せてきた。 そして────、 「悠久先輩なの」 と言った。