「はい…?」


不思議そうな顔で俺を見る椎名。


「こんなの、月並みな言葉でしかないし、これで椎名の心を軽く出来るとか全然思ってないけど…」


「………?」


「俺は、お前のことを大切に思ってるから」


「……っ!」


「お前の周りにはいつだって、お前のことを大切に思うやつらがいるってこと、ちゃんと覚えとけよ」


俺がそこまで言うと、椎名はまた泣きそうな顔になる。


「はい…、はい!」


俺は、゙また俺の胸が必要か?゙なんて茶化しながら、笑った───。