──────── ゙ピンポーン゙ 「はぁ、はぁ……」 肩で息をしながら家のインターホンを押す。 ばあちゃんの話を聞いて思い出した昔の記憶を頼りに、俺はアオとマコが昔住んでいた家に来ていた。 表札には、゙椎名゙の文字。 椎名は、ずっと俺を覚えていた。 だから、入学式で俺の名前を呼んだんだ。 そして、こんな形で戻って来たくなかったと言った。 それは、マコの死があったから。 なんで俺は、こんな大事なことを覚えてなかったんだ…! さっきまでの自分を悔いながら、椎名が出てくるのを待つ。