──────── 「ハル先輩、どうしたんですか?」 特別教室に入って荷物を置けば、椎名が首を 傾げる。 俺はカバンから雑誌を取り出して、無言で椎名に渡した。 「……っ、これ…」 雑誌を見れば、椎名は思い出したように驚く。 「どうして先輩が……?」 こっちをみる椎名に、俺は窓際に寄りかかって答える。 「部員のやつがくれた。 椎名のこと、見たことがあるって思ってたらしい」