楽しそうな笑顔の椎名を見れば、写真越しでもバスケが大好きだったということが分かる。 そして、大好きなことが出来なくなることの苦しみがどれほどのものか、俺はよく知っていた。 あいつは、どんな気持ちで、球技大会の日に 俺の背中を押したのだろうか…。 『ハル先輩は、走り続けて下さい。 大好きなバスケを、途中でやめないで下さい。 先輩はまだ飛べる翼を持っている。』 どんな気持ちで、その言葉を口にしたんだろうか…。