「私ってあおの事全然知らないみたい!」

「……」

「あおの友達も、クラスでのあおも、あおの笑顔も、なんにも知らない」

「……」

「でもそうゆう関係だかーーー」


言い終わる前に海里に抱きしめられた。

周りから見られない様に木に隠れて、
優しく頭を撫でてくれた。


「……なんで泣いてんの」


自分でも気づかなかった。
涙を流している事に。


「ふぇ……なんで?」

「……日和はさ、神咲の事どう思ってんの」


あおの事…?なんでそんな事海里が……


「わかんねー事考えこんだって仕方ねーだろ。そんな時は俺じゃなくたって佐藤とかにでも話したら」


ここ最近の変な感情。
一過性で、こうゆう関係もあおが初めてだからだって思ってた。


今も、そう思うけど……



優しい顔で私を見つめてくる海里。
その優しさに私は寄りかかった。