君との距離5cm





「なにやってんの?」


小さい声だったけど低い声でしっかり聞こえた。



「え、神咲くん!?」

「え、うそ!!神咲くん!?」


さっきまでの私に向けた嘲笑う声とか違って
甲高い何トーンか上がった声でキャーキャー騒ぐ女の子達。


たしかこの人……隣のクラスの神咲碧斗。


容姿端麗・頭脳明晰・スポーツ万能の三拍子がそろった学校1の完璧男。



「神咲くん誰かに用事〜??」


媚びった声。
どこからそんな声が出てくるの!?
人のことビッチ扱いのくせにあなた達だって色目使ってんじゃん!



「君達に聞きたいんだけどこのゴミ何?」


そう言って私机のゴミを指さす神咲くん。


「え!?えっと……ぁ、なんかね白石さん転んじゃってゴミ箱ひっくりかえしちゃって……」

「…そ、そうそう!ほんと白石さんおっちょこちょいだよね〜」