* * * * * * *
「…これで満足ですか?私の事知れて満足ですか?」
誰にも話した事のなかった私の過去。
神咲くんはどう受け止めたんだろう。
「笑っていいよ。
1番大切だった人達から裏切られてく惨めさに」
「……」
「私は自分の為なら知らない男と寝る事だって出来る汚い女なんだよ!?
だからもう……私には関わらないで」
神咲くんを突き放す言い方。
黙ってる神咲くんに、私はそっとソファから立ち上がった。
「…今日の事は忘れて下さい。
私、予定があるので帰ります」
荷物をもって神咲くんの横を通り過ぎた
その時、
ぼそっと神咲くんが何か喋った気がした。
「今何か言った…?」
「白石さん」
私の目を見て真っ直ぐなその声で私を呼ぶ。
その瞳に、
その声に、
一瞬ドキッと胸が高なった。
