「うっそぉ…」
校門の前
空の下
届いたLINEに添付された重なる二人のシルエット
「やば…」
そーだった、あたしたち、思いっきりグラウンドで話してたんだ
今になってそう実感する
ただ、LINEの内容に思わず頬が緩む
「きも」
その声に振り向けば、すっかり調子を戻した制服姿のバカ
「何一人で笑ってるわけ?」
「…颯センパイからLINEきて」
事実
だけど少しの嘘
そんな言葉に、表情を少し曇らせるそいつ
見慣れたその表情は、優しいあんたの
とっても大事な意思表示だったんだね
「…彼氏とお幸せにって」
そう言った途端、緩む顔
そしてまた、難しい顔
「…そいつに、LINE、教えたの」
ほんと、バカだなぁ
「羽美センパイからだよ
あの人、羽美センパイの彼氏」
スマホの画面を差し出すと明らかにホッとした表情を浮かべた
こんなに分かりやすいのに、気づかなかったなんて
あたしもあたしで、どれだけ余裕がなかったんだろう
