帰っていく 翔平の後ろ姿をぼんやり見つめる。 「久々だな!」 私はその声のした方を睨む。 そう。さっき私にキスしようとした男。 「そうだね。夕方に帰るなんて珍しいじゃん。」 こいつも私とは別の大学に通っているが、うちの大学の女の子にも手を出しているらしく、噂をよく聞く。 「レイの顔が見たくなった。」 柄にもなく真剣な顔。 「からかわないでよ。」