「ったく、今日もそんな非現実的なもん見て楽しんでんのかよっ」

聴きなれた声の主は、私の幼馴染でもある橘 玲二(たちばな れいじ)。

私の唯一の三次元男子の友達ともいえる。


「お前はそろそろ彼氏の1人くらい俺に紹介してくれよ」

「みなみにはあと100年かかるから無理」

「ちょっ、ひど!」

里奈と玲二のこの会話はもう私たちの中での日常。


「私だって自慢できる彼氏、たくさんいるわよ」

「それは、画面の中に、だろ?ったく・・・そろそろ周りの男にも目を向けろよな・・・」


玲二が私の頭に腕をおいて、ゲーム機に目をやる。


「うるさい、重い、集中できない!!!」

「あ、こいつ結構顔は俺と同じくらいイケメン」

「あんたと一緒にするなー!!!」