「まぁ半年前にお前の所が取り逃がしたサカグチ マサムネについては、

未だに俺の部下の中で色々言う奴はいるけど、俺はもう気にしてないよ。」


「あれは麻取のお前らにも迷惑かけたよ。

サカグチをきっかけに芋づる式で元締めまで探る予定だったんだろ。」



「確かにそうだけど、言ってなかったか?

サカグチの家ガサ入れした時、

あいつご丁寧にヤクの受け取り場所と時間帯のメモを残していたから、

そこからバイヤーは一斉検挙できたんだよ。」



「なんだそうだったのか。
それ聞いて少し救われたよ。」



「ただ・・1カ所だけ、どれだけ張り込んでも尻尾掴めなかった場所があったから、

それについては本人を取り調べしたかったけどな。

まぁ過ぎたことを今更言ってもしょうがない。」




ヤマモトは隣に腰掛ける友の背中をバンバンと押す。

カザマは飲みかけのコーヒーが口から出そうになるのを抑える。



「ゴホッゴホッ。

そういえばあの市議会議員の大麻所持、
ヤマモトの所がずっと追ってたんだろ。

よかったな検挙になって。」


「ああ、所轄の警察署もかなり協力してくれたからな。

そういうカザマは今、何のヤマ扱ってるんだ?」


「高齢者を狙った連続ひったくり犯が昨日逮捕に至ってな。今はそいつの取り調べだよ。」