エピローグ





アイチ県ムコウジマ市ムコウジマ警察署では、

カザマ ユキオ警部が昨日行ったひったくり事件取り調べの調書の確認をしていた。




「カザマ警部はいますか?」


そこに1人の男が訪ねてきた。



「・・はい・・おお!ヤマモトじゃないか。
久しぶりだな。」


「久しぶりだなカザマ。
今ちょっといいか。」


カザマは訪ねてきた男と部屋を出て休憩所へ向かう。






「それで麻取の方が何の御用ですか?」


「白々しい敬語はよせや。
たまたま近くに来たから久しぶりにお前に会いに寄っただけだよ。」




厚生労働省 地方支分部局
地方厚生局麻薬取締部、

通称“マトリ”に所属するヤマモトはコーヒーを買うと椅子に腰掛ける。


同い歳のカザマとヤマモトは過去に薬物絡みの事件で何度も合同捜査を行った旧知の仲である。


久しぶりに再会した2人はお互いの近況を報告しあう。