第10章 紅茶









「本当にあるのかよ。」


「サヤがあるって言うんだからあるだろ。」


「学校の自販機以外で見たことないぞ。
てか補習どうするんだよ。」


「いいんだよタカヤマの英語なんて。
俺は将来日本から出ないから英語も必要ないんだよ。」


「そういう身も蓋もないことをお前はホントに・・。」



「サヤがあんな顔してたら俺が困る。」


「へいへい。お、あそこはどうだ。」




「・・・・あかん。無い。」


「マジかよ。さっきのコンビニにも無かったしな。他にまだあるか?」



「ん~。とりあえず違う道で学校戻るか。
途中にあるかもしれないし。」


「もう諦めようぜ。」


「お前、あれだよ。
諦めたら試合終了なんだよ。」


「別に試合してないです先生。」







「そういえばすげー大事な事言い忘れてたけどいい?」


「なんだよ。」


「財布教室に忘れてきたんだけど、お前金持ってる?」


「・・・・」

「・・・・」


「フハハハハ。」

「ウハハハハ。」


「試合終了だ!」

「学校戻るぞー。」



チャリン


「ん?ちょっと待って。ポケット。」




「・・・・ああ!!200円入ってた!」


「神は俺らのこと見捨てなかったな。」



「あとは・・・
あれ?あそこにあるの自販機じゃない?」


「だな。もう学校着くからこれが最後にしようぜ。」


「あんな所に自販機あったんだな。」


「まぁそもそもこんな道は普段通らないからな。」


「どれどれ。」






「・・・・・」


「・・・・・」





「よっしゃぁああ!!!」





第10章 完