「!」


「!」



カザマとニシベはお互いに顔を見合わせた。

と同時にカザマの頭の中で今までの捜査資料、

サカグチへの取り調べがパズルのように組み立てられ1つの可能性を導き出す。






「カザマさん、やっぱりサカグチと2人は顔見知りだったということ・・。」


「いや、ここまで捜査して接点が見つからなかったならその可能性はやはり低い。

こうは考えられないか?

“本当にオオシマかサヤの知り合いが玄関に立っていた”。」



カザマの推理にニシベは一瞬戸惑う。



「つまりあの時現場にはもう1人の人物がいたということですか!?」


「侵入時のサカグチの供述には曖昧な部分があった。

サヤがインターフォンで確認した上で玄関を開けたと考えると、

“特に問題ない”と判断した人物が立っていたからじゃないだろうか。」



「ちょっと待ってください。
だとしたら・・。」





ニシベも液晶パネルに近づき“録画一覧”というボタンを押してみた。

しかしそこに保存されている映像は1つも無かった。




「ダメか。何も残ってない・・。」


「ん?それもおかしな話だな。
こういうのって自動で録画されるんじゃないのか?」


「ええ、うちの家も似たようなやつ使っていますが、インターフォンが鳴ると自動録画されます。

保存容量がいっぱいになったら古い日付から消えていきますけど・・・

・・まさか誰かが消した?」



「・・意図的に削除されたと考えるとサカグチがやったとは思えない。

危険ドラッグで錯乱状態だった奴がご丁寧にこんな証拠隠滅するか?」