ある日、この世界では星が降るようになった。
そして今日、世界に大きな星が降り、滅亡してしまうんだ。
「ねぇ、大輝?」
あたしは隣にいる幼なじみの大輝に話しかける。
「なんだよ」
いつも通りの素っ気ない返事。
そうゆうとこが何故か好きなんだよな。
「んーん、大したことじゃないんだけどさ、今日さ滅亡するじゃん?最後は誰と過ごすのかなって」
「んー、わかんねぇ」
「そっか…」
臆病者のあたしは、一緒に居たいなんて言えない。
告わないといけないのに…
告わないと今日が終わっちゃう。
死んでからは言えないんだから。
「大輝はさ、好きな人いるの?」
「な、なんだよ!急に!」
大輝は、いきなり慌てだした。
ああ、いるんだな…
だけどそれは、あたしではない他の誰かだろう。
「誰?いるんでしょ?」
あたしは悪戯に聞いてみる。
まあ、言ってくれないと思うけど。
「お、おまえに言う必要ねーだろ!」
「なんだよー、ケチー」
そう言いながら、あたしは口元をとんがらせる。
今日で最後なんだから言ってくれたっていいじゃない。
「おまえは、好きな人とかいるのか?」
「うん。いるよ」
目の前に。
そう付け足しかったけど、無理だった。
「だよな…」
それ以来、大輝は口を開かなかった。
口を開いても、うん。とか興味のない返事ばっかり。
そして、とうとう家に着いてしまった。
じゃあね、とあたしが言おうとしたら大輝に遮られた。
「なぁ、今日俺ん家来いよ!みんなで最後に飯でも食おーぜ」
「うん!」
あたしは、るんるん気分で家の中に入り、ご飯の時間まで待ち遠しかった。