「今日は用事があるの…だから先に帰ってね?」
今では、一緒に帰るのも当たり前になっていた。
おかげで周りからは付き合っていると噂が立っているらしい。
麻耶はそれに関して何も言ってこないし教室でも笑って流していた。
それを少し寂しく思っていた矢先のことだった。
「用事?」
「うん…だから先に帰ってね?」
やたらと俺を早く帰そうとしている。
目も合わせてくれないし、明らかに怪しかった。
けど、麻耶が帰れというならおとなしく帰ろう…
「夜に連絡するね」
「わかった」
そういって、帰ろうとすると
ぎゅっと、後ろから抱きしめてきた。
そして…
「ごめんね……」
消えそうな声でそう聞こえた

