近所の公園の銀杏も更衣(ころもがえ)を済まし、ゆっくり秋から冬に季節がSHIFTしていく。


地上から見る空は蒼く澄み切ってはいるけど、少し淋しげな表情で…私の目に応えた。


空が懐かしくて。


そう。
とてもね。


ぽつり
ぽつりと


晴れ渡った空から凍えるほど冷たい雨滴(うてき)が私の頬を濡らした。


空は相も変わらず晴れているのに…俗にいう通り雨が。


冬をしらせる季語でもある。


肌を突き刺すほど冷たい雫(しずく)は、もうすぐ冬が訪れると…そう…私に決断を迫る。


葉っぱの落ちかけた銀杏の木が空から降り注ぐ雨を受け止めてくれるとは思わない。


足早に住み慣れた我が家へと足を運んだ。






あの人は今どこで何をしているのだろうか。


あの日みたあの人の面影を私は永遠に忘れないだろう…。