「はぁ...、あんた、少しでも私に惚れたことないわけ?」



ちょっと腹が立ったから、意地悪な質問をしてみる。



「あるよ」


.........



「あるの!?」



「あるよ」



こいつ...こんな、「女なんていりません。」みたいな表情しといて、



私に惚れたことあったの...!?



「いつ!?なんで!?それで、どうして今は好きじゃないのッ!?」



「初めて会った時。

君の顔で微笑まれながら「おはよう」なんて言われたら惚れないわけないじゃないか。


ちなみに今は、自分に自信を持ちすぎている君に、驚いているよ。」



「あなた...私の事を可愛いと思ってたのね...。」



思ったことを素直に口に出すと、呆れたように悟は、こう言った。



「君、僕をなんだと思ってるの?

僕だってどこにでもいる男子高校生だぞ?

可愛い子を可愛いと言って何が悪い。」



悔しい......


見下されてる発言だとは、理解してる。



してるけど...



どうしようもなく嬉しい自分がいる。



もう...だからあんたは嫌なの。



簡単に私を喜ばせておいて、



結局あなたは私を好きになんてならない。



なんて残酷な...王子様。